会話するふたり
夢をみた
とても不可思議で
ある意味で
いつも通りの
夢だった
夢の中の世界は
突拍子もなく幸せで
最上級に不運だった
学生であるわたしは
学校の規定にイラつき
偶像になった
ニンゲンと出逢い
いつもふたりで
話しをしていた
ふたりで話しをするのは
とても愉しい時間だった
わたしは怒り
偶像はたくさん
嘆いていた
わたしは偶像に
毎日のように
会いに行くことが
当たり前になった
偶像もわたしと
ふたりで暮らす時間が
愉しかった
制限のあるふたりには
お喋りの時間が
幸福で刺激的だった
ため息でさえ
空間に溶け込む
音楽のようだった
嘆きながら歌う偶像
怒りながら笑うわたし
偶像と話す姿が
他人に
どう写っていたか
そんなことは
どうでもよかった
やがて
ひとつだった
偶像の隣に
腰掛ける学生姿の
偶像が現れた
その事に
気付いて立ち止まる
ニンゲンは
ひとりもいなかった