なぜ日本ではイノベーションが起きづらいのか?

in #blog5 years ago

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こんにちは!

@fusan が、2年前にイノベーションについて
steemitで記事を書かれていましたね。

「破壊的なイノベーションとトレンドの発生」
https://steemit.com/steemit/@fusan/27yu4e

自分も、イノベーションについては
これまでも色々な観点から考えてきましたが
自分の思考整理も兼ねて、改めてまとめてみました。

更に、イノベーションを生物モデルに転用して深掘りすると
興味深いことが明らかになったので、こちらもサクッとまとめました。

荒い一筆書きですので、誤解や矛盾点もあるかもしれませんが
もしよろしければ、コメントをいただけますと嬉しいです!

「目次」

1.イノベーションのメカニズム
2.iPhoneというイノベーションは、どのようにして生まれたか?
3.なぜ日本ではイノベーションが起きづらいのか?
4.イノベーションを生物モデルに置き換えて考えてみると・・・

「本編」

1.イノベーションのメカニズム

名著「失敗の本質」には
イノベーションのメカニズムの説明が記載されています。

それによると、イノベーションは
以下の3ステップから成り立ちます。

①既存の指標の発見
②既存指標の無効化
③新指標の採用

失敗の本質では、更に
太平洋戦争時のアメリカ軍による
「レーダーによる迎撃」の事例を挙げて
イノベーションの深掘りを行なっていました。

①既存の指標の発見

レーダーの導入前は、敵艦を探すための探索機を空母から飛ばしていた。
相手を発見すると、母艦に無線を飛ばして、味方機を出撃させていた。
つまり、パイロットを含めた「探索機の活躍」が重要だった。
敵を先に攻撃する体制を取れた側が優位に立つと言う指標が存在した。

②既存指標の無効化

探索機の活躍では、日本軍が先にアメリカ軍を発見していた。
そのため、一方的な奇襲としてアメリカ軍が攻撃を受けることもあった。
ところが、レーダーの登場により、200km先から戦闘機群を発見することに成功。
アメリカ軍は、日本軍より、優位な上空で準備万端で待ち構え、一方的に攻撃を加えて勝利した。

③新指標の採用

レーダーの登場により、探索機が敵艦隊を先に発見すると言う指標の効果は完全に消滅。
仮に探索機がアメリカ軍を先に発見しても、攻撃機が辿り着く前にレーダーに発見されてしまった。
そうなると、アメリカ軍が待ち伏せをして、殲滅される結果となった。
新しい「レーダーの性能」と言う指標が戦闘を支配することになった。

このように、実はイノベーションが起こるのには
きちんと順番があるということを示していたのです。

2.iPhoneというイノベーションは、どのようにして生まれたか?

イノベーションの代名詞は
やはり「iPhone」の名前が挙げられると思います。

上記のイノベーションのメカニズムを
iPhoneに当てはめて考えてみると下記のようになります。

①既存の指標の発見

・工業製品的なデザイン
・処理能力や価格競争
・商品単体で完結する機能性
・通話や通信の高い技術

②既存指標の無効化

・おしゃれなデザイン
・感覚的な操作性
・ネットワーク型の利便性
・オープンソースによるアプリ開発

③新指標の採用

・「プラットフォーム化」に挑戦した
・技術競争、価格競争から一線を引いた

このように、未来からiPhoneの誕生の経緯を見ると明らかですが
ふーさんも言われていた通り
いかに「インターネットのパーソナライズ化」を目指していたのかよくわかりますね。

3.なぜ日本ではイノベーションが起きづらいのか?

結論から言うと
思考、文化、環境などに起因する「国の性格」が挙げられると考えます。

わかりやすく、アメリカと日本の対比で説明すると・・・

・アメリカは「0→1」を生み出すのが得意
・日本は「1→10」に育てていくのが得意

こういうお国柄の特徴があります。

アメリカが「0→1」を生み出すのが得意というのは
まさにイノベーションが得意というのと同義です。

GAFAMは、すべてアメリカ発の企業というのが
その証拠だと言えますね。

一方、日本は「1→10」に育てていくのが得意ですが
これは「改善が得意」ということです。

これは、いわゆる職人技のように
「練磨の先にある究極のもの」が代表例ですね。

また日本人は、体験型学習によって
偶然新戦略を発見することが得意でもあります。

極端に言えば
戦略なしで勝利することが出来る能力があるとも言えます。

理屈より実体験を重視する国民性が為せる技でしょう。

だから、成功体験に固執してしまう悪習慣が生じてしまうのですが
個人的には、製造業や飲食業界では、その傾向が特に強いのかなと感じます。

しかし、成功体験を抽象化することが出来れば
イノベーションに繋がり、勝率が上がるとも言えるのではないでしょうか?

上記の具体例として
伊那食品の「用途拡大戦略」が挙げられると思います。

簡単にいうと「寒天の使い道の幅を広げる作戦」ですね。

要するに、新規顧客の開拓なのですが
既存の売上に固執するのでなく、新しい売上先を確保する。

これもイノベーションの一つと捉えられます。

また経済的な視点から
日本は「新陳代謝」がされていないという指摘もあります。

時価総額上位の日本企業は「工業や消費循環」が多いですね。

日本では「ローリスク・ローリターン」経営をしている企業ほど駆逐されにくい。
したがって、時価総額上位に居座る傾向が強いです。

さらに、日本の大学の大半は
いわゆる「ティーチング・ユニバーシティー」
即ち、座学形式の講義が多いです。

これは「リサーチ・ユニバーシティー」
つまり、能動的な学びが
メインで行われていない傾向があることを示しています。

ここにも、イノベーションが起きづらい原因の一端があると感じます。

4.イノベーションを生物モデルに置き換えて考えてみると・・・

これも結論からいうと
「突然変異」が、イノベーションにあたると考えます。

突然変異とは・・・
生物やウイルスがもつ「遺伝物質の質的・量的変化」
および「遺伝物質の変化によって生じる状態」を指します。

変異の為には、細胞内エネルギーの極大化が必要と言われています。

ちょっと抽象的な説明なので、具体例として
「陸生生物の誕生」を例にとってみようと思います。

陸生生物の誕生というイノベーションのステップを
深掘りすると下記のようになると考えました。

①既存の指標:「水中に存在する豊富な栄養」
②既存指標の無効化:「水中から陸上に出ること」
③新指標の採用:「大気中の酸素の活用によって、圧倒的なエネルギー効率の獲得」

いずれにせよ、環境が大きく変化する時に
突然変異は起きやすいと言える気がします。

また、自分が最近知ったトピックとして
「遺伝子の水平伝播」という現象があります。

遺伝子の水平伝播は
「母細胞から娘細胞への遺伝ではなく
個体間や他生物間においておこる遺伝子の取り込みのこと」を指すみたいです。

簡単に言うと
「環境の変化によって、遺伝子に変化が起こるけど
それが、ウィルスなどによって引き起こされますよ」
ということですね。

一般的な突然変異を縦方向だとすると
「遺伝子の水平伝播」は文字通り横方向になりますね。

このように
イノベーションを生物モデルに置き換えて考えてみた時に
突然変異の事例を考えてみると、結構しっくり来るものがありました。

余談ですが・・・
今回の件とは直接関係はないと思いますけど

生物話といえば「散逸構造」も
個人的なホットワードとなっています。

こちらも以前に
ふーさんが、分かりやすい記事を書いています。

「散逸構造とブロックチェーン」
https://steemit.com/japanese/@fusan/fusan

wikipediaによると、散逸構造は・・・

散逸構造(さんいつこうぞう、dissipative structure)とは
熱力学的に平衡でない状態にある開放系構造を指す。
すなわち、エネルギーが散逸していく流れの中に
自己組織化のもと発生する、定常的な構造である。

・・・ちょっとイメージが難しいですね。

ここで、ふーさんの言葉を引用しますと

「散逸構造とは、混沌の中から秩序が生まれそして混沌に戻る」

やっぱり分かりやすさに定評のある説明ですね。

「秩序と混沌の境界が、どこにあるのか?」
というのがメインテーマだと感じます。

自分は「エネルギー」の視点から
散逸構造を眺めてみたいと思います(妄想を含みますw)。

空間には、多種多様なエネルギーが充満していますが
基本的には、カオスな状態でエネルギーが漂っています。

そこに膜という名の境界が登場することで
エネルギーを取り込む訳ですが
この時点では、まだカオスな状態だと考えられます。

次の段階で、エネルギーの凝縮が起こりますが
これは、物理的には「励起状態」とも言えるのではないかと思われます。

そして、励起状態の壁を超えると
そこには安定が待っています。

すなわち、DNA、RNA、タンパク質といった
秩序ある世界ですね。

自分の中では散逸構造の
「混沌から秩序の発生」は
このようなイメージを抱いています。

ここでふと思ったのですが・・・

「秩序から混沌」が
イノベーションの3ステップのうち
「既存の指標の発見と既存指標の無効化」

「混沌から秩序」が
「新指標の採用」に当てはまる気がしました。

そう考えると、散逸構造の話も
あながち余談じゃ無かったのかもしれませんね。

さて今回は、かなり長くなってしまいましたが
最後に、ふーさんの名言で締めたいと思います。

「DNAは、最高のアルゴリズムを持ったブロックチェーン」

ブロックチェーンは、素晴らしい技術ですが
それでもやっぱり、自然のものが
最も完成度が高いということを示唆していますね!

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@fusan愛が伝わってくる文章だと思いました。

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ふーさんリスペクトの気持ちで
一気に書き上げました!