NTTの政官接待とドコモ完全子会社化について
○要注意
以下、既にオープンになっている関連リンク集と、一妄想者の与太話です。更に、内部告発者ポジションからの発信であるため、与太話も御割り引きください。上記、ご留意いただくことで、当エントリー記事はニュートラルになるはずです。当エントリー記事の全てが妄想です。真に受けないよう、十分、注意の上、ご静読ください。
○感想
NTT(財)が大臣(政)、官僚(官)を接待したことが問題になっている。日本社会におけるNTTの役割を理解すれば、典型的な政官財の癒着構造が透けて見えただけのことであり、何の驚きもない。
NTTは半官半民の特殊会社であり、公益性を根拠に、特権が与えられている。虚しい建前を脇に置いて、NTTは電気通信インフラを人質に公金を還流させて政官を手玉にとっている。棚ボタの特殊資本の有無を絶えず見張り、競争環境の適否を断続的に判断し、規制緩和・規制強化のかじ取りが政官の仕事である。蓄積された特殊資本は消費者の過払い金なのに、NTTは自社の稼ぎとして恥じることがない。政官は特殊資本の還元が仕事なのに、NTTと同様、消費者の過払い金を着服している自覚がない。
2021年4月5日、電気通信事業者21社が総務省(情報通信行政検証委員会)に真相を求める意見書を提出したことは前進だ。但し、決して、真相は明らかにならないだろう。電気通信事業における、「振興」「規制」「監督」3つの全てが総務省にあるため、自縄自縛では犯人は捕まらないからだ。情報通信行政検証委員会 座長(弁護士(元特捜検事))の国益に反する犯罪行為と対峙してきた正義を信じたい。因みに、NTTが発足させた特別調査委員会の委員長はNTT社外取締役だ。NTTの報告書に読む価値はない。
ご一読いただく時間がない方は、YouTube番組3本を以下、「○関連リンク」に紹介しました。ぼんやりとでも、不祥事の全貌を掴んでいただきたい。
○考察
情報通信審議会の答申をおまけとするのは乱暴なのか?電気通信ムラの政官財学マスコミの「学」としての役割を見てみよう。『「答申」→「電気通信事業者法改正」→「市場検証」→(答申に戻る)』が典型的なプロセスで、「学」が電気通信政策の方向性をリードする。直近の答申「新たな情報通信技術戦略の在り方」(2014年)には少なくとも、ドコモ完全子会社化を後押しする意見はない。「競争ルールの検証に関する報告書 2020」(2020年10月)(電気通信市場検証会議)が競争環境を検証している。以下、一部抜粋。
「競争ルールの検証に関する報告書 2020」-モバイル市場の現況と分析-今後の方向性
●通信市場
・今後、各事業者の創意工夫による一層の競争を通じて料金の低廉化やサービスの多様化が進むことが期待される領域。
・有効に競争が機能しているか、競争を阻害する要素はないか検証が必要。
・引き続き、競争を通じて利用者にとって低廉で分かりやすく、納得感のあるサービスが提供されるよう、公正な競争を阻害する要因を見極め、分析・検証を重ねていく必要。
・通信料金水準については、通信品質などと併せて分析すべきとの指摘があり、諸外国や民間における手法を研究。
●事業者の経営状況
・MNO3社の営業利益率は、各社とも概ね20%前後。上場している代理店の営業利益率は、概ね5%以下。
【参考】全産業の営業利益率(2018年度)は、6.4%
・公正な競争環境の分析・検証に当たっての参考指標として、今後とも動向を注視。
オープンな意見交換はあったが、2020年10月にして、ドコモ完全子会社化を後押しする意見はない。果たして、情報通信審議会はピエロであった。従来通り、公正な競争環境が大切である旨変更はないし、今後も動向の注視を提言している。「公正な競争環境を促進するため、ドコモ完全子会社化を黙認した」この政治判断の是非を国民が審判しなければならない。「政官財の総意として、国際競争を優先して電電ファミリー(+NICT)に外貨を稼がせるため(6Gインフラ輸出)、NTTを強化してファーウェイにチャレンジさせる。国内競争には不公正が出ないように監査を強化していく(≒国内携帯電話事業者には泣いてもらう)」(一例)、真正面から丁寧に説明するのが誠実な態度だ。「目的を達成するために(公正な競争環境)」と公言しながら、正反対のこと(ドコモ完全子会社化)を進める政治判断があったこと(確信犯)を忘れてはならない。
企みの「成功」「失敗」のシナリオを考えた。
「成功」電電ファミリーが6Gインフラのグローバル市場をリードして、電電ファミリーから外貨がトリクルダウンして国内に循環する。光ファイバー卸料金が値下げされ、携帯電話事業を含めてインターネット市場全般が活性化する。
「失敗」電電ファミリーが6Gインフラのグローバル市場をリードできず、電電ファミリーの営業利益が振るわない。光ファイバー卸料金が値上げされ、携帯電話事業を含めてインターネット市場全般が不活性化する。
当然、日本企業がグローバルに活躍することを祈念している。但し、研究開発とマーケティングの巨額な支出の原資は日本インターネット市場全般からのみかじめ料。成功しても消費者に謙虚でなければならない。万が一、失敗しても、NTTファミリーがふんぞり返ってインターネット市場から搾取を続けられる余地が大問題。政官財の総意は第二東京電力(ビジネスモデル)だ(妄想)。電気通信ムラの非居住者には、ハイリスク・ミドルリターンでしかない(リスクに見合ってない)。電気通信ムラの住民には、ローリスク・ミドルリターン。潰れない特殊会社への巨額な貸付(4兆3000億円)ほどおいしい案件はないだろう。
ドコモのTOBが終わって、年明け、「公正競争確保の在り方に関する検討会議報告書」(2021年3月)(公正競争確保の在り方に関する検討会議<総務省、公正取引委員会>)が発行されている。冒頭に、公開ヒアリングがドコモのTOB終了後になった理由があって驚いた。
>③出資比率の上昇を妨げる特段の法律上の制約がないこと、
>④株式市場に大きな影響を与えるなど株式公開買付けという事案の特殊性が存在すること
既成事実を追認するだけの報告書。ヒアリングの結果、事後にでも、「公正競争確保のため、株主(1/3の持ち分)として、政府はNTTのドコモ完全子会社化を否認(株主代表訴訟)するべき」など表明するのが従来のポジション。電気通信事業者4社を参加させたガス抜きを目的とした報告書のように見える。競合各社からの生々しいヒアリング回答があり、懸念される課題が整理されている。改めて、4月5日に競合他社から意見書の提出があったのは当然だろう。
「公正な競争環境は整った。さあ、正々堂々、新しい競争の始まりだ(笑顔)!」
○提言
「NTTは信用できない」に尽きる。「Don't trust. Verify. 」「Follow the money.」半官半民の巨大な特殊会社を飼いならすのは片手間ではできない。NTTグループ年間売上の約12兆円を追いかけるのに、毎年120億円(売上の0.1%)を使ってでも、企業活動の全貌(特に支出)を監査・監督し続けなければならない。120億円以上の無駄使い(例:政治献金(未確認)、天下り人件費、学者・有識者囲い込み費用、マスコミ対策費(過剰広告費)など、消費者目線で不要なもの)が見つけられるだろう(推測)。終わりがない継続活動に本腰を据えるには、監査・監督専任のNPO/NPOが必要だと考える。目的は異なるが、情報公開クリアリングハウスのような筋金入りのNPOがモデルになる。民営化の弊害であるが、半官半民の特殊会社の情報公開は難航するだろう。NTTに限った話ではなく、大小の違いこそあれ、特殊会社に共通する課題だ。
○おまけ
入社以来、お世話になった先輩・同僚を思うと心が痛みます。ごく一部の例外を除く、全ての従業員は善良な社員です。組織の論理で対応せざるを得なかったであろうNTT内部告発対応窓口は人の言葉がない鬼でした。総務省の公益通報窓口も同様です。一個人として巨大な組織と対峙するには、内部告発者も鬼にならざるを得なかった。相手の気持ちを汲んだ信頼を積み上げていく余地が無かったことが悔やまれる。記録を残すことが国益に資すると確信している。
○参考1(情報公開クリアリングハウスの情報公開訴訟の実績)
・司法制度改革審議会検討会録音テープ 情報公開訴訟
・司法試験委員会録音物情報公開訴訟
・財務省「昭和財政史」引用文書 情報公開訴訟
・沖縄返還密約文書情報公開訴訟
・イラク戦争検証報告書情報公開訴訟
・日米合同委員会議事録情報公開訴訟
・森友学園交渉記録情報公開訴訟
・警察庁秘密個人情報ファイル簿情報公開訴訟
○参考2(NTTグループ サステナビリティレポート2018 ガバナンス<抜粋>)
政治献金
NTTは、政治資金規正法に則り、政治献金は行っていません。一部のグループ会社においては、関係法令および各社の倫理規程などに則り、各社の判断のもとで政治献金を実施しています。
○関連リンク
総務省接待問題、NTT「ドコモ完全子会社化」の経緯が歪められた可能性
https://diamond.jp/articles/-/265252
NTTの執行役員に天下り 柳瀬秘書官が従う「首相案件」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a38d3357ad9a3c08b9c82b179aca06ba334707f6
NTTが総務省を高額接待してまで望んだ「NTT法」改正という真の目的
https://www.mag2.com/p/news/490465
武田総務相が初めて明かす、ドコモ「異次元値下げ」に至る舞台裏
https://diamond.jp/articles/-/257803
NTTとNECが資本業務提携、次世代の光/無線技術を活用したICT製品を共同開発へ(2020年6月)
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1261561.html
3メガなど6行、最大4兆3000億円をNTTに融資へ-ドコモ買収(2020年9月)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-09-29/QHEMPBT0G1L201
「6G」開発に500億円 3次補正、先端通信で巻き返し―政府(2020年12月)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020121000949
ITER(国際核融合エネルギー機構)との包括連携協定の締結について(2020年5月)
https://www.ntt.co.jp/news2020/2005/200515c.html
NTT、再生エネ本格参入 自前の発電・送電へ投資1兆円(2020年6月)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60923240Z20C20A6MM8000/
NTT、セブンに再生エネ電力 脱炭素へ20年の長期契約(2021年3月)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ251WN0V20C21A3000000/
ソフトバンクなど21社、ドコモ子会社化の行政対応で真相究明求める(2021年4月)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-04-05/QR2JBHDWX2PV01
【ここだけの話】総務省接待問題の虚実!テレビでは分からない国会質疑の読み解き方と立憲民主が絶対に触れない最も深刻な問題とは!?
「マスコミ、与野党の国会議員と意見交換している」
NTT問題は国をゆるがす大問題
NTT再編「再論議」通信21社が総務省に申入
社外取締役に官僚OBはやめたほうがいい
https://dot.asahi.com/wa/2019042200071.html
「新たな情報通信技術戦略の在り方」(平成26年諮問第22号)に関する情報通信審議会からの第4次中間答申
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000308.html
情報通信審議会委員名簿
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/iin_meibo.html
競争ルールの検証に関する報告書 2020(2020年10月)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000713687.pdf
公正競争確保の在り方に関する検討会議報告書(案)(2021年3月)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000736540.pdf
情報通信行政検証委員会の設置について(総務省)(2021年3月)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000738518.pdf
特別調査委員会の設置について(NTT)(2021年3月)
https://www.ntt.co.jp/news2021/2103/pdf/210309b.pdf
連結業績ハイライト(NTT)
https://group.ntt/jp/ir/fin/highlight.html
独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書(有限責任 あずさ監査法人)(2020年6月)
https://www.ntt.co.jp/ir/library/yuho/pdf/35yuho-11.pdf
NTT再編等の際の公正競争要件(総務省 テレコム競争政策ポータルサイト)
https://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eidsystem/competition02_04.html
情報公開クリアリングハウス
https://clearing-house.org/
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